目に見えない病気

こんばんは。ひろみです。

 

たまに近所を散歩していて知り合いに会うと

「ご主人本当にご病気なさったの?みえないわ」と言われます。

 

確かにぱっと見主人はなんというか普通です。

 

でも普通の大人ができて当たり前の事を主人はできません。

 

たとえば自分の家の住所、年齢、直近の記憶、自宅までの帰り道。

認知症をイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません。

 

高次機能障害は様々な症状があり、個人それぞれで違います。

じゃべれない方、性格が変わってしまう方、本当に様々です。

 

脳の病気をすると体に麻痺が残るとばかり思っていたので

主人が倒れて脳梗塞と診断されたときには「歩けないかもしれない」と覚悟しました。

 

リハビリを進めていくうちに歩けるようになり

会話もでき、食事もでき、以前とあまり変わりはないなと思っていました。

 

ですがどこか主人ではない。

何か違和感を感じていました。

 

会話がかみ合わない。何かがおかしい。

そう思って先生に相談し、診断されたのが高次機能障害でした。

 

主人がリハビリ病院に入院中、大変だったのは私がお見舞いに行くたびに

「さぁ、帰ろうか」と言うことでした。

自分が病気になって、リハビリ病院に入院している現実を理解できないのです。

 

「俺が運転して帰るよ」

「帰りに買い物していこうか」

「明日会議があるから帰ったら少し仕事をしなきゃ」

 

脳梗塞で倒れて今リハビリ中なんだよと何度説明しても

5分後には忘れてしまいます。

 

病院に入院中は病院のスタッフさんがいたので平常を保てていましたが、

退院後、自宅に帰ってからが本当に大変でした。

 

トイレの場所すら覚えてない主人に1日付き添わななくてはならず

会話も同じことの繰り返し。

自宅にいるのに「家に帰ろう」ときかなかったり・・・

 

介護を経験したことがある方ならわかるかもしれませんが

精神的に気持ちが削られます。

 

身近な人のこういう姿が理解できないというか

でも介護がこの先ずっと付いてくる絶望感というか

 

でもたまに元の主人に戻る時があったりすると

「いつもの主人だな」と心がほっとする瞬間があるのです。

 

完全に元に戻ることはありません。

消滅してしまった脳の細胞は元に戻らないからです。

 

でも人間は不思議で。

そこを補おうと他の細胞が頑張るんだそうです。

 

きっと主人も主人の脳細胞も何か必死に生きようと頑張っているのだと感じます。

 

長々とすみませんでした。

今日は結婚記念日で主人とアルバムを見ながら色々と思い出話をしたので・・・

 

こうしてのんびり生活ができるだけでも良いかなとも思います。

 

明日も良いことがありますように。